Debian GNU/Linux 3.0 (`woody') リリースノート ( Motorola 680x0 用) ------------------------------------------------------------------ Josip Rodin, Bob Hilliard, Adam Di Carlo, Anne Bezemer, Rob Bradford $Id: release-notes.ja.sgml,v 1.37 2002/08/19 10:00:41 joy Exp $ ------------------------------------------------------------------------------- ------------------------------------------------------------------------------- 目次 ---- 1. Debian GNU/Linux 3.0 の新機能 1.1. インストールシステムの新機能 1.2. ディストリビューションの新機能 2. 新たにインストールする 3. 以前のリリースからアップグレードする 3.1. システムの変更の詳細 3.1.1. 重要なプログラム作法の変更 3.2. アップグレードの準備 3.2.1. パッケージの状態をチェックする 3.2.2. SSH ユーザ向けの注意 3.2.3. 注意が必要なディレクトリ 3.3. APT の取得先 (ソース) の準備 3.3.1. APT の Internet ソースの追加 3.3.2. APT のローカルミラーソースの追加 3.3.3. APT の CD-ROM ソースの追加 3.4. dselect を用いたアップグレード 3.5. apt-get を直接用いたアップグレード (非推奨) 3.5.1. アップグレード中・アップグレード後の注意点 3.5.2. リブート前にすべきこと 4. 既知の問題 4.1. ウイルススキャナのユーザへの注意 4.2. エストニアの timezone 5. Debian GNU/Linux に関する更なる情報 5.1. もっと読みたい 5.2. 助けを求めるには 5.2.1. メーリングリスト 5.2.2. インターネットリレーチャット (IRC) 5.3. バグを報告する 5.4. Debian に貢献する 6. Appendix 6.1. 名前が変わったパッケージ 6.2. 分割されたパッケージ 6.3. 削除されたパッケージ 6.3.1. メンテナ不在で削除されたパッケージ 6.3.2. 上流に不足しているパッケージ 6.3.3. その他の理由で削除されたパッケージ ------------------------------------------------------------------------------- 1. Debian GNU/Linux 3.0 の新機能 -------------------------------- [この文書の最新版は、常に http://www.debian.org/releases/woody/m68k/release-notes/ から取得できます。もし入手した版が一ヶ月以上古いものでしたら、 最新版をダウンロードする方がよいでしょう。] 前の版の Debian GNU/Linux 2.2 ('potato') では、 6 つのコンピュータアーキテクチャがサポートされていました。 このリリースでは、この 6 つにさらに 4 つが追加されました (以下のリストで [*] がついているものです)。 ここに、このリリースにおけるアーキテクチャの完全なリストを示します。 * Intel x86 ('i386') * Motorola 680x0 ('m68k') * Alpha ('alpha') * SPARC ('sparc') * PowerPC ('powerpc') * ARM ('arm') * MIPS ('mips' (ビッグエンディアン) と 'mipsel' (リトルエンディアン)) [*] * Intel Itanium ('ia64') [*] * HP PA-RISC ('hppa') [*] * S/390 ('s390') [*] 移植の状況の詳細や、お使いの移植版に特有の情報については、 Debian port web pages (http://www.debian.org/ports/m68k/) で読むことができます。 Motorola 680x0 アーキテクチャ用 Debian GNU/Linux 3.0 での デフォルトのカーネルのバージョンは 2.2.20 です。 2.2 系カーネルは精力的に更新・開発が続けられており、 カーネル内部にも、またカーネルの機能を用いたプログラムにも、 価値のある変更がいくつか行われています。 新ドライバの追加や既存のドライバへのバグフィックスも、 非常にたくさん行われています。 このリリースには 2.4 カーネルも含まれており、 ユーザはこちらをインストールすることもできます。 カーネル開発者たちは 2.4 系を安定版だと考えていますが、 Debian GNU/Linux リリースチームは、 これをデフォルトのカーネルとするには、 まだ熟成度が充分でないと判断しました。 1.1. インストールシステムの新機能 --------------------------------- 新しいツールである `debootstrap' は、 ベースシステムのインストールの際に Debian GNU/Linux パッケージを ダウンロード・展開します。これは従来の、 ベースシステムを含む tarball を用いたインストールシステムに比べて改善されている点です。 このシステムを用いると、 ベースシステムのインストールが、 より動的に更新できます。 task システムが改造されました。以前のリリースでの task は メタパッケージでした (つまり他のパッケージを依存関係を利用して集めた単なるパッケージでした)。 新しいシステムでは、既存のパッケージシステムの内部で特殊なヘッダを用い、 各パッケージが所属する task を指定するようになりました。 これによって task の選択がより細かくできるようになり、 ある task 全体ではなく、 一部のパッケージを選んでインストールすることもできるようになりました。 インストール時の設定と、インストール後の再設定とが、 ほぼすべて Debconf を用いてなされるようになりました。 Debconf には、非対話的な方法、dialog (curses ベース)、 新しい GNOME のフロントエンドなどのいろいろな派生版があります。 Debconf のエンジンも改良され、これまでになく柔軟になりました。 要するに、Debconf が世界を回しているのです :) Debian インストールシステムのすべてについては、 Debian インストールガイドを読んでください。 最初の CD に含まれていますし、 http://www.debian.org/releases/woody/m68k/install にもあります。 1.2. ディストリビューションの新機能 ----------------------------------- インストール時に用いられるカーネルは 2.2.20 ですが、 最新の安定版カーネルである 2.4 系カーネルも含まれており、 利用可能になっています。 Debian のパッケージ管理ツールである apt と dpkg が、 このリリースではかなり改善されました。apt は今では "pinning" 機能を備えるようになり、 特定のパッケージを別のディストリビューションから 選択してダウンロードできるようになりました。 例えば、大部分のパッケージを安定版 (stable) のディストリビューションのものに保ったまま、 テスト版 (testing) や不安定版 (unstable) のパッケージを使うことが可能となりました。 APT は必要に応じて適切な依存パッケージを、 先のディストリビューションから自動的にダウンロードします。 APT "pinning" howto (http://www.debian.org/doc/manuals/apt-howto/ch-apt-get) もご覧ください。 ソースパッケージのコンパイルを補助するために、 ビルド時依存関係 (build dependencies) が追加されました。 apt-get のメソッド "build-dep" を使えば、 必要となるパッケージをすべてコンパイルの前に取得できます。 古く、悪名高く、しかしまだ良く使われている `dselect' を置き換えるため、 多くの apt フロントエンドが woody のリリース準備期間に開発され続けています。 興味を持ったユーザは `aptitude' パッケージを調べてみてください。 この Debian GNU/Linux のリリースには、大きな進歩を遂げた XFree86 4.1 release が含まれています。 より多くのハードウェアをサポートし、 自動検知サポートが改良され、Xinerama や 3D アクセラレーションといった先進的な技術により良く対応しています。 XFree86 4.1 ではサポートされていない古いハードウェアのために、 XFree86 3.3.6 も選択可能になっています。 Debian 3.0 はこれまでのリリースに比べてずっと安全です。 ベースシステムが提供するサービスのうち、 攻撃の対象となるような不必要なものは削られています。 Debian 3.0 には、 ファイアウォール管理、サーバの強化、侵入検知など、 セキュリティ向けのアプリケーションがたくさん含まれています。 パッケージシステムも改善され、 デジタル署名を自動的にチェックするような設定が可能となりました。 その様に設定されれば、 デジタル署名が合わない Debian パッケージのインストールは拒否されます。 これによってトロイの木馬をインストールしてしまう危険性は減少し、 インターネット越しのシステムのアップグレードが簡単かつ安全になりました。 最近では、Debian はセキュリティに関心がある管理者向けの文書を たくさん提供するようになりました。 例えば Debian Documentation Project の 'Securing Debian Manual' (http://www.debian.org/doc/manuals/securing-debian-howto/) などがそうです (`harden-doc' パッケージとしても取得できます)。 またフリーソフトウェア翻訳チームの努力のおかげで、 Debian 3.0 は従来のリリースに比べてずっと 国際化 (http://www.debian.org/international/)されています。 より多くの言語に対応したデフォルト設定が Debian に含まれるようになり、 そのプログラムの多くが国際化対応しています。 boot-floppies インストールもそのひとつで、 たくさんの言語に翻訳されています。 フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・ポルトガル語・ スペイン語・カタロニア語・デンマーク語などが強力にサポートされており、 他にも 15 以上の翻訳チームが積極的に活動しています。 初めて Debian GNU/Linux は、 完全な機能を持った複数のグラフィカル web ブラウザ、 すなわち Mozilla, Galeon, Konqueror を提供するようになりました。 新たな GNOME 1.4 release に加えて KDE 2.2 が初めて取り込まれ、 Debian のデスクトップ設備は急速に改善されてきています。 公式 Debian GNU/Linux ディストリビューションは、現在は 7 枚のバイナリ CD と、ほぼ同数のソース CD のかたちで提供されています。 今では DVD 版のディストリビューションも利用可能となっています。 ------------------------------------------------------------------------------- 2. 新たにインストールする ------------------------- Debian を新たにインストールしようとしている人は、 インストールマニュアルを読みましょう。 公式 CD の次の場所にあります。 /dists/woody/main/disks-m68k/current/doc/install.txt (または .html) あるいは Internet からなら: http://www.debian.org/releases/woody/m68k/install Debian のインストールシステムは `boot-floppies' と呼ばれており (フロッピー以外もサポートしているのですが)、ずっと効率化・更新されてきており、 ユーザにとって便利なものになっています。 ------------------------------------------------------------------------------- 3. 以前のリリースからアップグレードする --------------------------------------- 3.1. システムの変更の詳細 ------------------------- 3.1.1. 重要なプログラム作法の変更 --------------------------------- Debian は、できるだけ上流のパッケージを改変しないようにしています。 したがってオリジナルのパッケージでなされた変更は、 Debian GNU/Linux にも存在することになります。 Debian GNU/Linux 2.2 'Potato' リリースでは、 `tar' は `bzip' 圧縮に -I スイッチを用いていました。 しかし現在では -j スイッチが使われています。 必要に応じて、全てのスクリプトを変更してください。 3.2. アップグレードの準備 ------------------------- システムをアップグレードする前に、完全なバックアップを取っておくよう 強くおすすめします。少なくとも、 失いたくないデータや設定情報だけでもバックアップしておきましょう。 アップグレードのツールや処理は極めて信頼性の高いものですが、 アップグレードの最中にハードウェア障害が起こると、 システムに大きなダメージを与えることがありえます。 特にバックアップしておくべきものとしては、 `/etc' と `/var/lib/dpkg' の中身、 `dpkg --get-selections \*' の出力などが挙げられます。 アップグレードの前には、その予定を全てのユーザに知らせると良いでしょう。 しかしシステムに ssh などでアクセスしてきているユーザは、 アップグレードの最中にもそうとは気付かず、 作業を続行してしまうかもしれません。 万一の用心をしたければ、アップグレードの前に ユーザのパーティション (`/home') をバックアップして、 アンマウントしてしまいましょう。通常は再起動は必要ないでしょう。 ディストリビューションのアップグレードは、 ローカルのテキストモードの仮想コンソール (あるいは直接接続されたシリアル端末) から行うか、 リモートなら `ssh' リンク経由で行いましょう。 _重要_: `telnet', `rlogin', `rsh' を用いてアップグレードをしては _いけません_。 アップグレードマシンの `xdm' が管理している X セッションからのアップグレードも行うべきではありません。 これらのサービスはアップグレードの最中に切断されてしまう可能性が高く、 するとアップグレード途中のシステムへの _接続が不可能になってしまう_ からです。 3.2.1. パッケージの状態をチェックする ------------------------------------- アップグレードにどんな方法を取るにせよ、 まず全てのパッケージの状態をチェックし、 アップグレード可能な状態になっているかどうか調べましょう。 以降のコマンドを用いると、不完全インストール (Half-Installed) 状態や 設定に失敗 (Failed-Config) 状態など、 エラー状態にあるパッケージが表示されます。 # dpkg --audit システムの全てのパッケージの状態は `dselect' でも調査できます。 また # dpkg -l | pager や # dpkg --get-selections > ~/curr-pkgs.txt のようなコマンドでも可能です。 パッケージの hold は、アップグレードの前に外しておく方が良いでしょう。 アップグレードに必要不可欠なパッケージが hold されていると、 アップグレードは失敗します。 hold されているパッケージは次のコマンドでわかります。 # dpkg --audit パッケージをローカルで変更して再コンパイルしており、 パッケージ名を変更したり、パッケージのバージョンに epoch フィールドを追加したりしていない場合には、 それらのパッケージを hold しないとアップグレードされてしまいます。 パッケージの `hold' 状態は、`dselect' で変更できます (「選択」メニューから hold には `H' キー、解除には `G' キーを用います)。 また dpkg --get-selections > ~/curr-sels.txt の出力を編集して "hold" を "install" に (あるいはその逆に) 変更し、root 権限で dpkg --set-selections < ~/curr-sels.txt を行うことでも変更できます。 3.2.2. SSH ユーザ向けの注意 --------------------------- release 2.2 より前の `ssh' や release 2.2 での `ssh-nonfree' に入っていた商用 SSH は、 このリリースから DFSG フリーの `ssh' パッケージ (OpenSSH) に置き換えられました。商用 SSH のツール類はもう存在しません。 `ssh' パッケージでは、 OpenSSH 互換の設定を再生成するかどうかの質問を Debconf で行うようになっています。 3.2.3. 注意が必要なディレクトリ ------------------------------- アップグレードの前には、必ず `/etc/rcS.d' ディレクトリが存在しなければなりません。これがないと `libc6' パッケージのインストールに失敗します。 `/usr/share/doc' ディレクトリ (が既に存在している場合) はシンボリックリンク (例えば `/usr/doc' への) であってはなりません。 こうなっているといくつかのパッケージで問題が起こります。 しかし `/usr/doc' が `/usr/share/doc' へのシンボリックリンクになっているのは構いません。 このようなシンボリックリンクを使っていると、 `/usr/doc' ディレクトリが削除できない、 というメッセージを大量に見ることになります。 これらは問題なく、単に無視して全く問題ありません。 3.3. APT の取得先 (ソース) の準備 --------------------------------- 推奨されるアップグレード方法は、`dselect' と共に `apt' を 用いる方法で、ここでそのやり方を説明します。組み込まれた依存関係解析によって、 アップグレードとインストールがスムーズに行えます。 `dselect' で `apt' 以外のアクセスメソッドを用いて メジャーアップグレードを行ってはなりません。 `apt' はインストール中にパッケージの順序を依存関係にしたがって 並び替えるのですが、この機能が `apt' 以外のアクセスメソッドにはないため、 安全性が低いからです。 また、`apt' 以外を用いたアップグレードはあまりテストされていませんし、 Debian ではサポートしていません。 パッケージインストール作業は、すべてスーパーユーザ権限で行ってください。 root としてログインするか、`su' または `sudo' を用いて、 必要なアクセス権限を得てください。 アップグレードをはじめる前に、`apt' の設定ファイル `/etc/apt/sources.list' を編集して、 パッケージの取得先を決める必要があります。 `apt' は、"`deb'" 行にある全てのパッケージを見比べ、 最も大きなバージョン番号のパッケージをインストールします。 同じパッケージが取得可能な場合は、先に現れた行を優先します (つまり、複数のミラーを指定している場合は、 最初にローカルのハードディスクを、次に CD-ROM を、 最後に HTTP/FTP ミラーを指定するといいでしょう)。 3.3.1. APT の Internet ソースの追加 ----------------------------------- デフォルトの設定では、メインの Debian インターネットサーバを 使ってインストールするようになっています。ですがここでは、 `/etc/apt/sources.list' を編集して、 他のミラーを (できればネットワーク的に最も近いミラーを) 使うようにする方が良いでしょう。 ミラーの場所がわからない場合は、 http://www.debian.org/distrib/ftplist に Debian HTTP / FTP ミラーのアドレスが書かれています。 一般には HTTP ミラーのほうが ftp ミラーよりも高速です。 例えば、一番近くにある Debian ミラーが `http://mirrors.kernel.org/debian/' だったとしましょう。 このミラーを web ブラウザや FTP プログラムで見てみると、 main などのディレクトリが以下のように構成されていることがわかります。 http://mirrors.kernel.org/debian/dists/woody/main/binary-m68k/... http://mirrors.kernel.org/debian/dists/woody/contrib/binary-m68k/... このミラーを `apt' で使うには、次の行を `sources.list' ファイルに追加します。 deb http://mirrors.kernel.org/debian woody main contrib ``dists'' は書かなくても暗黙のうちに追加されます。 そしてリリース名の後の引き数がそれぞれ用いられ、 複数のディレクトリの各々のパス名に展開されます。 これらの新たなソースを追加したら、それまでの `sources.list' にあった "`deb'" 行の先頭に シャープ記号 (`#') を置き、それらを無効にしてください。 インストールに必要なパッケージのうち、 ネットワークから取得されたものは、 `/var/cache/apt/archives' ディレクトリ (およびダウンロード中のものは `partial/' サブディレクトリ) に置かれます。したがって、インストールを行う前には、 充分な領域があるかどうか確認しなければなりません。 割に大きめのインストールを行う場合には、 ダウンロードデータとして少なくとも 300MB 程度を考慮しておきましょう。 注意: スタティックな `apt' と `dpkg' を使う場合は、ホスト名の解決ができません (このためネットワーク経由のアップグレードでは 通常の `apt' の利用をおすすめしています)。 これを解決するには、"`deb'" 行で、 ミラーの IP アドレスを使うようにしてください (`nslookup some-server' としましょう)。 3.3.2. APT のローカルミラーソースの追加 --------------------------------------- HTTP や FTP のパッケージミラーを使うのではなく、 ローカルディスク (多分 NFS マウントされたもの) にあるミラーを使うよう、 `/etc/apt/sources.list' を変更したいこともあるかもしれません。 例えばパッケージのミラーが `/var/ftp/debian/' にあり、 main などのディレクトリが次のように配置されているとします。 /var/ftp/debian/dists/woody/main/binary-m68k/... /var/ftp/debian/dists/woody/contrib/binary-m68k/... これを `apt' から使うには、次の行を `sources.list' ファイルに追加します。 deb file:/var/ftp/debian woody main contrib ``dists'' は書かなくても暗黙のうちに追加されます。 そしてリリース名の後の引き数がそれぞれ用いられ、 複数のディレクトリの各々のパス名に展開されます。 これらの新たなソースを追加したら、それまでの `sources.list' にあった "`deb'" 行の先頭に シャープ記号 (`#') を置き、それらを無効にしてください。 3.3.3. APT の CD-ROM ソースの追加 --------------------------------- 上記のように、最新版の `apt' と `dpkg' パッケージをインストールする必要がある場合は、 上述の説明に従ってください。 CD _だけ_でインストールをしたい場合は、 `sources.list' にあった "`deb'" 行の先頭に シャープ記号 (`#') を置き、それらを無効にしてください。 CD-ROM ドライブをマウントポイント `/cdrom' にマウントすることを許可している行が `/etc/fstab' にあるかどうかを確認してください (`apt-cdrom' を使う場合は、マウントポイントを `/cdrom' 以外にはできません)。 例えば `/dev/hdc' が CD-ROM ドライブなら、 `/etc/fstab' には次のような行が必要です。 /dev/hdc /cdrom auto defaults,noauto,ro 0 0 第 4 フィールドの `defaults,noauto,ro' の間には スペースがあってはいけません。 これが正しく機能しているか調べるには、 CD を挿入して以下を実行してみてください。 mount /cdrom (CD をマウントポイントにマウントします) ls -alF /cdrom (その CD のルートディレクトリを表示します) umount /cdrom (CD をアンマウントします) 問題がなければ apt-cdrom add を、Debian Binary CD-ROM それぞれに対して実行してください。 各 CD に関するデータが APT のデータベースに追加されます。 3.4. dselect を用いたアップグレード ----------------------------------- Debian GNU/Linux 3.0 へのアップグレード方法のお勧めは、 パッケージ管理ツール `dselect' を用いる方法です。 このツールはパッケージに関する判断を `apt-get' よりも安全に行います。 `dselect' がインストールされていない場合は、 現在の (アップグレード前のマシンの) Debian GNU/Linux リリースのバージョンの `dselect' をインストールしてください。 アーカイブへのアクセスメソッドは、 すでに APT を用いるように設定されているはずですが、 メニューから "アクセス ([A]ccess)" を選べばこの設定は変更できます。 アクセス設定が OK なら、メニューから"更新 ([U]pdate)" を選んで 次の段階に進みましょう。これによってパッケージのデータベースが更新されます。 この更新の段階で問題が起きなければ、 メニューから "選択 ([S]elect)" を選んでください。 `dselect' は現在利用可能なパッケージを調べ、 更新が必要なパッケージはどれか、 それらの更新のために新たにインストールが必要となるパッケージはどれか、 をインテリジェントに決定します。 さらに、削除すべきパッケージも提案してくれます。 パッケージ選択画面でリターンを押すと、 「衝突/依存性の解決」の画面となるか (この場合はここで選択をやり直して、再度リターンを押す必要があります)、 あるいはメインメニューに戻ります。 パッケージの選択段階に置けるヘルプは、"?" を押せば表示されます。 これでパッケージ選択が決まったので、 新しいパッケージをインストールしましょう。 メインメニューから "導入 [I]nstall" を選んでください。 すると、以前に選択したメディアから、 パッケージが APT によってダウンロードされ、インストールされます。 選んだら、とっておきのアール・グレイを一杯飲むことにしましょう。 この作業はかなり時間がかかります。 最後の二段階は、"設定 [C]onfig" と "削除 [R]emove" です。 これらは新しいパッケージを設定し、また不要なパッケージを削除して、 アップグレード処理の締めくくりをします。 3.5. apt-get を直接用いたアップグレード (非推奨) ------------------------------------------------ まず、必要なパーティションが read-write モードで マウントされていることを忘れずに確認しましょう (特にルートと `/usr' 各パーティション)。 次のようなコマンドラインが使えます。 mount -o remount,rw / 上述の `apt' の `sources.list' の設定は、 既にすんでいるとします。次のコマンドを root 権限で実行します。 apt-get update するとパッケージの概要が書かれたファイルを それぞれのソースから取得してローカルのものと同期し、 新パッケージや更新パッケージの情報を最新のものにします。 ここで強くお勧めしたいのですが、 `/usr/bin/script' プログラムを使って、 このアップグレード作業の記録を取るようにしましょう。 こうすれば何らかの問題が生じたときに、 何が起こったかを記録しておくことができ、 バグ報告の必要が生じた場合に、その正確な情報を提供できます。 記録を開始するには次のように入力します。 script -a ~/upgrade-to-woody.typescript typescript ファイルは `/tmp' や `/var/tmp' のような一時ディレクトリには置かないでください (これらのディレクトリのファイルは アップグレードや再起動の際に削除されることがありますから)。 アップグレードのメインの作業をはじめる前に、 まず apt, dpkg, debconf を更新するのが重要です。 apt はこれまでのリリースに比べてかなり改善されています。 debconf は最近のパッケージで非常によく用いられている 基本ツールです。 apt-get install dpkg apt debconf これによって `dpkg', `apt', `debconf' の最新版がインストールされます。 これらが残りのアップグレードに必要となります。 またこの際には、必要なシステムライブラリも最新のものに更新されます。 debconf が質問の種類について尋ねてきた場合は、 'critical' を選ばないようにしてください。 これだと重要な質問がなされないかもしれません。 実際のアップグレードの前に、次のコマンドによって リハーサルを行ってみると良いでしょう。 apt-get --fix-broken --show-upgraded --simulate dist-upgrade | pager 多少時間がかかりますが、これによってびっくりすることが 少なくなるかもしれません。このコマンドは、 システムに問題があるかどうか (ある場合はその解決法) や、 あるいはアップグレードの最中に実際に何が起こるかを示してくれます (大抵の場合は後者でしょうが)。 "REMOVED" されることになるパッケージに特に注意してください。 これらに必須パッケージが含まれていてはなりません。 `apt-get' がうまく動くであろうことが確認できたら、 次を実行します。 apt-get --fix-broken --show-upgraded dist-upgrade これによってシステムの完全なアップグレードを行います。 すなわち全てのパッケージの最新版を入手し、 パッケージのリリースが変わったことによって生じる 依存関係の変更すべてを解決します。 必要に応じて、新しいパッケージ (通常は更新版のライブラリや、 名前の変わったパッケージ) をインストールしたり、 衝突している古いパッケージを削除したりもします。 CD-ROM のセットからアップグレードする場合には、 アップグレード作業の最中に CD を交換するよう、 数回指定されることになります。 同じ CD を複数回入れなければならないかもしれません。 これはパッケージ間の相互依存関係のせいで、 これらのパッケージは別々の CD に入っていることもあるからです。 現在インストールされているパッケージの更新版が、 他のパッケージのインストール状態を変更しなければならないような場合には、 そのパッケージは現在の状態のままにされます ("held back" と表示されます)。 したがって壊れたパッケージや依存関係を、 `dpkg' や `dselect' を使って削除したり 再インストールしたりする必要が生じるかもしれません。 あるいは、`apt-get -f dist-upgrade' の後に `apt-get dselect-upgrade' を使ってもいいかもしれません (apt-get(8) のマニュアルページを見てください)。 `--fix-broken' (または単に `-f') オプションを与えると、 `apt' はシステムに存在する壊れた依存関係を修復しようとします。 `apt' は、壊れたパッケージ依存関係がシステムに存在するのを 許しません。 3.5.1. アップグレード中・アップグレード後の注意点 ------------------------------------------------- 場合によっては衝突や依存関係のループのために、 APT の APT::Force-LoopBreak オプションを有効にして、 必須パッケージを一時的に削除しなければならないかもしれません。 その場合 `apt-get' はこのことを警告してアップグレードを中断します。 `apt-get' のコマンドラインに `-o APT::Force-LoopBreak=1' を指定すれば、 この状態を回避できます。 システムの依存関係の構造が非常に混乱していて、 手動での介入が必要となることもあります。 通常これは `dselect' を用いるか、あるいは dpkg --remove として、目ざわりなパッケージを消す作業になります。 または次の作業でも良いかもしれません。 apt-get --fix-broken --show-upgraded install dpkg --configure --pending 極端な場合には、コマンドラインから dpkg --install /path/to/packagename.deb のように入力して、再インストールしなければならないかもしれません。 問題が修正できたら、先に示したように `dist-upgrade' コマンドを繰り返し入力すれば、 アップグレードを再開できます。 アップグレードの最中に、 いくつかのパッケージの設定・再設定に関する質問が表示されます。 `/etc/init.d' と `/etc/terminfo' ディレクトリに置かれるファイルと `/etc/manpath.config' に関しては、 パッケージメンテナのバージョンに置き換えるようにしてください。 システムの整合性を保つためには `yes' と答えることが必要になります。 古いバージョンも `.dpkg-old' という拡張子で 保存されていますので、戻すのはいつでもできます。 どうすればよいか分からなくなったら、 そのパッケージやファイルの名前を書き留めておいて、 その問題解決は後回しにしましょう。 typescript ファイルを検索すれば、 アップグレードの最中に画面に表示された情報を見直すこともできます。 3.5.2. リブート前にすべきこと ----------------------------- `apt-get dist-upgrade' が終了したら、 「公式」にはアップグレードは終了したことになります。 しかし次にリブートする_前に_、 面倒を見てやらなければならないことがいくつかあります。 最も重要なのは、 `locales' パッケージと `util-linux' パッケージのインストールです。 これは次のようにして行えます。 apt-get install locales util-linux Debian version 2.0 以前からアップグレードした場合は、 これによって `getty' パッケージが削除されます。 `getty' は現在は `util-linux' パッケージに入っています。 他にもいくつかインストールの必要なパッケージがあるかもしれません。 `apt-get' は他から依存されていないパッケージ (例えば Recommends: や Suggests: フィールドのパッケージ全部) を自動的には選択しないので、これらに気付かないことがあります。 これらを探すのは `dselect' (やその他のビジュアルなフロントエンド) を使えば簡単です。 `dselect' なら、「アクセス([A]ccess)」画面で `apt' メソッドを (まだそうなってなければ) 選び、 「更新 ([U]pdate)」を使って データベースを新しいパッケージの情報に更新してください。 その後「選択 ([S]elect)」スクリーンで `o', `o', `v', Shift-d の順に入力し、 --- Obsolete and local packages present on system --- というヘッダを探してください。 このセクションには、そのようなパッケージがすべて表示されます。 例えば古い `gimp' パッケージは `gimp1.2' に置き換えられています。新しいパッケージは `dselect' でインストールすることもできます (すると「依存関係の衝突の解決 (dependency conflict resolution)」 の画面で古いパッケージを削除するよう表示されます)。 あるいは apt-get install gimp1.2 とすれば古いバージョンも同時に削除されます (確認を求められるだけです)。 他の例としては、これは `dselect' にも表示されないのですが、 telnet と talk のクライアントとサーバ、 NFS サーバなどがあります。 これらは以前の `netstd' パッケージから分離されたものです。 これらをインストールするには次のコマンドラインを使います。 apt-get install telnet telnetd talk talkd nfs-server 同様に `manpages-dev' は `manpage' から分離されました。 以前のリリースで分割されたパッケージに関して もっと情報が必要な場合は、そのリリースのリリースノート文書を参照してください。 このリリースで分割されたパッケージについては、 Section 6.1, `名前が変わったパッケージ' と Section 6.2, `分割されたパッケージ' に戻って、 そこを見てください。 Debian version 2.0 以前からアップグレードする場合で、 かつ X Window System がインストールされている場合は、 次のコマンドを入力してください。 apt-get remove xbase apt-get install xfonts-base xfonts-75dpi xfonts-100dpi xfonts-scalable また `xdm' をブート時に起動 ("X autostart") したくない場合は、次も実行してください。 apt-get remove xdm X Window System 関連のパッケージの アップグレードに関する詳しい情報は、 `/usr/share/doc/xfree86-common/README.Debian-upgrade' を読んでください。これは以前の Debian リリース全てのユーザに 当てはまります。要するに、読め、ということです。 カーネルモジュールの設定システムは Debian GNU/Linux release 2.0 以降に変更されました。 Debian 2.0 以前からアップグレードする場合は、 リブートの前にシステムを変換しなければなりません。 通常は `update-modules force' とするだけで大丈夫です。 でも update-modules(8) マニュアルページも読んでおく方がいいでしょう。 Linux カーネルは、以上の手続きによっては更新_されません_。 そのようにしたい場合は、`kernel-image-*' パッケージの どれかひとつをインストールするか、 カスタマイズしたカーネルをソースからコンパイルするかします。 Debian GNU/Linux には 2.2.20 が含まれています。 これは 2.2 系の、やや古くて安定したカーネルシリーズです。 2.4 系のカーネルはハードウェアのサポートも性能も改善されているので、 こちらを使いたい人もいるかもしれません。 3 番目の CD-ROM で起動すると、これを自動的に行ってくれます。 あるいはビルド済みのものをインストールしても構いません。 apt-get install kernel-image-2.4.18-{386,586tsc,686} もうちょっと冒険したい人には、 自分のカスタムカーネルをコンパイルする方法も Debian GNU/Linux は提供しています。 `kernel-package' ツールをインストールして、 `/usr/share/doc/kernel-package' の文書を読んでみてください。 では新しい Debian GNU/Linux 3.0 システムをお楽しみください! :-) ------------------------------------------------------------------------------- 4. 既知の問題 ------------- 4.1. ウイルススキャナのユーザへの注意 ------------------------------------- `amavis'、`scannerdaemon' および `clamav' のような ウイルススキャナのユーザは、それらのパッケージを最新にしておくべきです。 さもなければ、バグの多いパッケージが、システムの内外へウイルスが通過するのを 恐ろしい結果と共に許可してしまうかもしれません。また、woody のウイルスデータ ベースは静的であり、現在は用いられていないということを言っておかなければなりません。 Pin 機能で、テスト版 (testing) や不安定版 (unstable) のアンチウイルス パッケージを使用することが、考えられる解決策かもしれません。 4.2. エストニアの timezone -------------------------- 2002 年 3 月 1 日から有効な第 84 規則 (2002 年 2 月 21 日、 エストニア政府) によると、この年 (2002 年の春) から、 エストニアには夏時間が導入されます。夏時間 (エストニア語で「sommer time」) は 3 月の最後の日曜日の 01:00 GMT (現地時間の 03:00) に始まり、10 月の最後の日曜日の 01:00 GMT (現地時間の 04:00) に終わります。 `/usr/share/zoneinfo/Europe/Helsinki' ファイルに入っているヘルシンキ用のルールが、 このルールと全く同じです。 ------------------------------------------------------------------------------- 5. Debian GNU/Linux に関する更なる情報 -------------------------------------- 5.1. もっと読みたい ------------------- このリリースノートやインストールガイドを越えた、 Debian GNU/Linux に関するより進んだ文書は、 Debian Documentation Project (DDP) から公開されています。 DDP は Debian のユーザや開発者向けに、 品質の高い文書を作成することを目的としています。 Debian ガイド、Debian メンテナ入門、 Debian FAQ などなど、たくさんの文書があります。 リソースの詳細すべては DDP の web サイト http://www.debian.org/doc/ddp から得られます。 それぞれのパッケージの文書は `/usr/share/doc/' にインストールされています。 ここには、 著作権情報、Debian 固有の詳細、上流の文書すべて、 などが置かれています。 5.2. 助けを求めるには --------------------- Debian ユーザ向けのヘルプ・アドバイス・サポートなどは、 いろいろな場所から得られます。しかしこれらを頼りにするのは、 その問題について徹底的に文書を調査してからにしましょう。 このセクションでは新しく Debian ユーザになった人向けに、 これらを簡単に紹介します。 5.2.1. メーリングリスト ----------------------- Debian ユーザが最も興味を引かれるであろうメーリングリストは debian-user (英語) リストおよび debian-user- (各国語) リストでしょう。 これらのリストの詳細や講読のしかたについては、 http://lists.debian.org/ を見てください。 利用にあたっては、 あなたの疑問に対する答えが以前の投稿で既に答えられていないかどうか、 アーカイブをチェックしてください。 また標準的なメーリングリストのエチケットに従うようにしてください。 [訳注: Debian JP Project が運営するメーリングリストは http://lists.debian.or.jp を見てください。] 5.2.2. インターネットリレーチャット (IRC) ----------------------------------------- Debian はサポート用の IRC チャンネルを Debian ユーザの協力によって運営しています。 このチャンネルは Open Projects IRC ネットワークにあります。 このネットワークは、 オープンソースコミュニティで資源共有や協力をすすめるため、 情報交換に使われているものです。 このチャンネルにアクセスするには、 お好みの IRC クライアントを irc.openprojects.net に接続し、 #debian に join してください。 チャンネルのガイドラインに従い、 他のユーザを大切にしてください。 Open Projects に関する詳細は web サイト (http://www.openprojects.net/) を訪ねてみてください。 5.3. バグを報告する ------------------- 私たちは Debian GNU/Linux を高品質な OS にするよう努めていますが、だからといって 私たちの提供するパッケージにバグが絶無というわけにはいきません。 ユーザに対するサービスとして、 私たちは報告されたバグに関する全ての情報を bugs.debian.org (http://bugs.debian.org/) にある バグ追跡システム (Bug Tracking System: BTS) で提供しています。 これは Debian のオープンな開発体勢と深く関っているのです。 もしディストリビューションや、 その一部であるパッケージされたソフトウェアにバグを見つけたら、 次のリリースで修正できるよう、その問題点の報告をお願いします。 バグを報告するには正しい電子メールアドレスが必要です。 これをお願いしているのは、バグを追跡したり、 開発者がより詳しい情報を必要とした場合に、 報告者に連絡できるようにするためです。 バグ報告には `reportbug' や `bug' といったプログラムを使うこともできますし (それぞれ同名のパッケージがあります)、 マニュアルで電子メールを使っても構いません。 バグ追跡システムに関する詳細やその使い方については、 リファレンスカード (正しくインストールされたシステムなら 必ず`/usr/share/doc/debian' にあります) をお読みいただくか、 または バグ追跡システム (http://bugs.debian.org/) の web サイトからオンラインで入手することもできます。 5.4. Debian に貢献する ---------------------- Debian への貢献は専門家でなくてもできます。 問題を抱えたユーザを、いろいろな サポートメーリングリスト (http://lists.debian.org/) の場所で助けてあげることも、立派なコミュニティへの貢献です。 開発メーリングリスト (http://lists.debian.org/) に参加して、 ディストリビューション開発に関する問題を見つけたり解決したりする (もちろん後者のほうが大切) ことも、 もちろん非常に助けになります。 Debian を高品質なディストリビューションに保つため、 バグを報告して (http://bugs.debian.org/) その原因の特定や解決に際して開発者を助けてください。 執筆が得意なら、 文書 (http://www.debian.org/doc/ddp) 作成や 既存文書のご自分の言語への 翻訳 (http://www.debian.org/international/) に積極的に参加し、そこで貢献するのも良いでしょう。 もっと時間が自由になるなら、Debian に属するフリーソフトウェア集の一部を管理してみるのはどうでしょうか。 みんなが Debian に入れてほしいと思っているソフトウェアを 引き受けて管理するのは、特に価値の高い貢献です。 これに関する詳細は、 作業が望まれるパッケージ (http://www.debian.org/devel/wnpp/) をご覧になってください。 Debian にはいくつかサブプロジェクトが存在しており、 特定のアーキテクチャへの移植、 Debian Jr. (http://www.debian.org/devel/debian-jr/)、 Debian Med (http://www.debian.org/devel/debian-med/) などが進められています。これらのうち、 あなたが興味を持っているグループに参加するのも良いでしょう。 いずれにしても、 あなたが何らかの形でフリーソフトウェアコミュニティに関っているのなら、 それがユーザとしてであれ、プログラマ、ライター、 翻訳者のいずれとしてであれ、 既にあなたはフリーソフトウェア運動を助けてくださっているのです。 貢献することは報いのあることですし、楽しいことです。 新しい人々に出会う機会も増えます。 きっと暖かな、楽しい気持ちになれるはずです。 ------------------------------------------------------------------------------- 6. Appendix ----------- 6.1. 名前が変わったパッケージ ----------------------------- 以下に示すパッケージは、それぞれ名前が変更されています。 すべてではありませんが、ほとんどの場合は Conflict:, Replaces:, Provides: といった各フィールド (やダミーパッケージ) が提供されていて、 新しいパッケージが自動的にインストールされたり、 古いパッケージを安全に置き換えたり削除したりするようになっています。 これには他のパッケージにマージされたパッケージも含まれています。 結果は名前変更の場合と同じですから。 gimp -> gimp1.2 (GIMP1.2 リリースのみ) dict-web1913 -> dictgcide amcl -> gnome-mud rstart -> xutils rstartd -> xutils xbooks -> xspecs xfonts-cjk -> xfonts-base xcontrib -> xbase-clients xlib6g-static -> xlibs-dev listar -> ecartis cln -> libcln2 cln-dev -> libcln-dev pgp-i, pgp-us -> pgp cvs-doc -> cvs acm -> acm4 user-ja -> language-env expect5.31, expect5.24 -> expect sgml-tools -> linuxdoc-tools sgmltools-2 -> sgmltools-lite bonnie -> bonnie++ c2ps -> a2ps camlp4 -> ocaml corel-util -> nwutil crossfire-sounds -> crossfire-client-sounds cslatex, csplain, cstexfonts -> tetex cspsfonts -> tetex-extra custom-mule -> mule2-support docbook2x, cygnus-stylesheets -> docbook-utils db -> db2 dgs -> xfree86 docbook-stylesheets -> docbook-dsssl genius, drgeo -> drgenius egcs1.0 -> egcs1.1 emacs19 -> emacs20 f77reorder -> g77 flim1.13 -> flim gdict -> gnome-utils libgmp2, gmp, gmp1 -> libgmp3 gnome-users-guide-en -> gnome-user-docs gnomehack -> nethack gpasm -> gputils gsl-ref-pdf -> gsl-ref-ps gstep-core -> gnustep-core gstep-extensions -> gnustep-extensions gstep-guile -> gnustep-guile gzilla -> dillo hanterm -> hanterm-xf imap -> uw-imap iplogger -> ippl jgroff -> groff lib-sax-java, lib-xp-java, lib-xt-java -> xalan2, libxt-java libansicolor-perl -> perl libape -> libcommonc++ libgc4 -> libgc6 libgcj -> libgcj2 libid3 -> id3lib libmalaga1 -> malaga libmpeg-mp3info-perl -> libmp3-info-perl libpth -> pth libv1.22 -> libv1.25 listar -> ecartis lvm -> lvm10 mdutils -> raidtools2 mutt-ja -> mutt myodbc2.50.26 -> libmyodbc oldncurses, ncurses3.4, ncurses4.2 -> ncurses (5.2) nfs-server -> nfs-user-server palm-doctoolkit -> pyrite-publisher pbm2ppa -> pnm2ppa pcre, pcre2 -> pcre3 puzzle -> tree-puzzle rt -> root-tail selfhtml -> chaos, t-gnus sgmlspm -> libsgmls-perl synaptics -> tpconfig tknamazu -> namazu2 typist -> gtypist umich-ldap -> openldap wanderlust2 -> wl-beta wdsetup -> nictools-nopci wnn6-dev -> wnn6-sdk wxftp -> axyftp xacc -> gnucash xjscal -> libjsw zope-siteaccess -> zope このリストを完全なものにすべくあらゆる努力を行っていますが、しかし まだ完璧ではないかもしれません。 6.2. 分割されたパッケージ ------------------------- release 2.2 (`potato') と 3.0 (`woody') との間に、 たくさんのパッケージが 2 つまたはそれ以上に分割されました。 分割された理由は、大抵の場合、 もとのパッケージが様々な機能を提供していて、 その全てを使っているユーザがほとんどいないためです。 分割されたことを伝える警告をインストール中に表示するパッケージも ありますが、パッケージの説明書きに書かれていることもありますし、 単に無視しているものもあります。 自分がよく使っていたパッケージで、 一部または全部の機能が使えなくなっていた場合は、 以下のリストをチェックして、 もとの機能を使うには追加パッケージのインストールが必要ではないか 確認してください。 それでも駄目だったら、そのパッケージの changelog を調べてください。 `/usr/share/doc//changelog.Debian.gz' にあります。 以下に、分割されたパッケージのリストを示します (このリストは完全ではないかもしれません)。 isdnutils -> ipppd, isdnlog, isdnutils-doc, isdnutils-xtools, isdnvboxserver, isdnvboxclient xpdf -> xpdf-reader, xpdf-utils, xpdf-chinese-simplified, xpdf-chinese-traditional, xpdf-cyrillic, xpdf-japanese, xpdf-korean,xpdf-thai cupsys -> cupsys (CUPS daemon), cupsys-client (CUPS client), cupsys-pstoraster (postscript rasterizer) groff -> groff-base, groff, groff-x11 xspectemu -> spectemu-common, spectemu-svga, spectemu-x11 ecpg -> libecpg3 (library), postgresql-dev (development files) postgresql-pl -> libpgperl, libpgtcl netbase -> netbase, portmap, ifupdown, ipautofw, ipchains, ipfwadm, ipmasqadm, iputils, net-tools, netkit-base uqwk -> uqwk, uqwk-spool tetex-bin -> tetex-bin, texi2html xproxy -> lbxproxy, proxymngr, xfwp xlib6g -> xlibs, libxaw6 xlib6g-dev -> libxaw6-dev, xlibs-dev xbase-clients, xlib6g-dev, xcontrib -> xutils xconq -> xconq, xconq-common python-imaging-doc -> python-imaging-doc, python-imaging-doc-html, python-imaging-doc-pdf gnumeric -> gnumeric, gnumeric-doc, gnumeric-python latex2rtf -> latex2rtf, latex2rtf-doc glade -> glade, glade-gnome, glade-gnome-db, glade-common, glade-doc apmd -> apmd, xapm, libapm1, libapm-dev, powermgmt-base uudeview -> uudeview, xdeview, libuu-dev sysklogd -> sysklogd, klogd xtide -> xtide, xtide-data snack -> libsnack2, libsnack2-dev, libsnack2-doc gnapster -> gnapster, gnapster-gtk proftpd -> proftpd, proftpd-common, proftpd-doc, proftpd-ldap, proftpd-mysql, proftpd-pgsql alsaplayer -> alsaplayer-common, alsaplayer-gtk, alsaplayer-nas, alsaplayer-text, libalsaplayer-dev, libalsaplayer0 6.3. 削除されたパッケージ ------------------------- 6.3.1. メンテナ不在で削除されたパッケージ ----------------------------------------- これらのパッケージは、Debian メンテナが、 それらの維持に興味を持たなかったので、削除されたパッケージです。 バグ番号はパッケージが削除された理由についてのさらに詳しい情報を提供します。 この番号を使うためには、バグ追跡システム (http://bugs.debian.org/) を訪れ、バグ番号に基づいた質問をしてください。 Alternatives 行には、削除されたパッケージを置き換えるかもしれない すべてのパッケージを記載しています。 asclock-gtk Alternatives: asclock, gnome-applets Bug: #91943 bridge, bridgex Bug: #80926 bwnfsd Bug: #107083 dialdcost Bug: #90361 dotfile-doc Bug: #116545 dstool Bug: #68308 dstool-doc Bug: #68309 gmasqdialer Bug: #127196 gnats2w Bug: #123544 ical Bug: #92286 ircd-dalnet Alternatives: ircd, dancer-ircd Bug: #93627 ivtools, ivtools-bin, ivtools-dev, ivtools-interviews, ivtools-unidraw jaztool Bug: #91797 libggidemos Bug: #111965 libliteclue Bug: #95503 libtclobjc Bug: #108187 mico-2.3.0 Bug: #91274 pact Bug: #72432 ppd-gs Bug: #68081 sliplogin Bug: #68104 x48 Bug: #110944 6.3.2. 上流に不足しているパッケージ ----------------------------------- これらは、上流のメンテナが不足しているので、削除されたパッケージです。 バグ番号はパッケージが削除された理由についてのさらに詳しい情報を提供します。 この番号を使うためには、バグ追跡システム (http://bugs.debian.org/) を訪れ、バグ番号に基づいた質問をしてください。 Alternatives 行には、削除されたパッケージを置き換えるかもしれない すべてのパッケージを記載しています。 abacus Alternatives: gnumeric Bug: #89715 arena Alternatives: mozilla, konqueror Bug: #83867 bezerk Alternatives: irssi-gtk Bug: #86611 blackjack Bug: #110369 110313 cdwrite Alternatives: cdrecord Bug: #80353 dejasearch Bug: #114643 dsc Bug: #92576 dtm Bug: #82741 empire-ptkei Bug: #86230 express Bug: #80396 fakebo Bug: #82481 gnome-napster Alternatives: gnapster, gnapster-gtk, lopster Bug: #87380 icl-faq Bug: #105385 libhtml-ep-perl Bug: #89376 libtcl-ldap Bug: #113574 macgate Bug: #85261 maplay3 Alternatives: madplay, mpg321, xmms Bug: #132374 pyrite Bug: #102307 scwm Bug: #115814 zicq Alternatives: vicq, gabber, gaim Bug: #117936 6.3.3. その他の理由で削除されたパッケージ ----------------------------------------- パッケージが削除された理由は、パッケージ名の下に記してあります。 バグ番号はパッケージが削除された理由についてのさらに詳しい情報を提供します。 この番号を使うためには、バグ追跡システム (http://bugs.debian.org/) を訪れ、バグ番号に基づいた質問をしてください。 Alternatives 行には、削除されたパッケージを置き換えるかもしれない すべてのパッケージを記載しています。 ae Replaced by the more user-friendly editor nano Alternatives: nano Bug: #110678 barracuda Moved to non-US but never appeared there darxite Remotely exploitable buffer overflow. Not easy to fix, would require full audit Bug: #87406 dhcpcd Buggy, insecure, better alternatives are available Alternatives: dhcp-client, udhcpc Bug: #81627 dosemu Moved to contrib dtlk Obsolete, now comes with kernel Bug: #97532 empire-pei Out of sync with empire server Bug: #82466 guavac Old, obsolete, jikes is better Alternatives: jikes Bug: #68246 ldp-ligs, ldp-lkmpg, ldp-sag-it License problems Bug: #80782 libdnd Old and unused Bug: #83565 nextaw No longer works with XFree86 4 Alternatives: libxaw7 Bug: #105532 omirr Obsolete; only works with kernel 2.0.11 Bug: #79833 povray-manual Large, non-free, downloadable from web, non-compliant HTML, non-compliant policy Bug: #82587 sharc Obsolete, it was providing relay-filtering for sendmail before sendmail had this feature. Alternatives: sendmail Bug: #92655 ------------------------------------------------------------------------------- Debian GNU/Linux 3.0 (`woody') リリースノート ( Motorola 680x0 用) Josip Rodin, Bob Hilliard, Adam Di Carlo, Anne Bezemer, Rob Bradford $Id: release-notes.ja.sgml,v 1.37 2002/08/19 10:00:41 joy Exp $